本書は私がブロックチェーンについて勉強し始めた3月頃に読んだ本ですが、ブロックチェーン、ビットコインについて初心者の方は、以下の記事を先にお読みください。
書籍「アフター・ビットコイン」からの学びを、簡単に言うと、
- ビットコインは次世代の通貨にはならないのでは?という主張とその理由
- ブロックチェーン技術は本物だという主張と金融分野での可能性
という感じです。
まず最初のビットコインの件ですが、著者は、以下のような課題や問題点があるため、ビットコインの将来性については疑問が残ると書いています。
- 悪いイメージの広がり、信頼性の低下
- 保有、採掘、取引構造の偏り
- ビットコイン保有者の90%が、0.1BTC以下
- ごく少数の人が大部分のコインを保有
- 全世界のマイナーの68%が中国のマイニング・ファーム
- 取引の93%は中国人 - 発行上限やリワード半減の仕組みがもつ弊害
- ブロックサイズ問題と分裂騒動
- 仮想通貨に対する規制導入の動き
- 健全なコミュニティづくりの失敗
- バブル的な兆候
本書が出版されたのは2017年ですが、それほど状況は変わっていないのではないでしょうか?特に、最近のビットコインの価格変動をチェックしていると、バブル的な兆候があると言われても仕方のない気がします。
「素人が買いに入ってきたときが、相場の終わりだ」という株式市場の教訓を忘れずに。
一方で、本書の後半ではブロックチェーンについての可能性に触れています。
特に、金融業界に的を絞ると、以下のような応用が考えられているようです。
- 国内送金、海外送金
- クラウドファンディング
- 貿易金融
- 債権管理・発行
- 証券決済、プラットフォーム
- シンジケート・ローン
- 銀行の社内システム
特に、国際的な送金、証券決済についてブロックチェーン導入のインパクトは大きく、大きな期待があるようです。
米国の「R3」という技術系のスタートアップが2015年に組織化した「R3コンソーシアム」では、「コルダ(Corda)」という金融業界向けに特化した分散型台帳技術を開発しているそうです。
「R3コンソーシアム」には、世界中の主要銀行80行が参加し、日本からも、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行などが参加しています(本書執筆時点)。
この辺りは情報が古くなっていると思いますので、最新の情報をウォッチする必要がありますね。
「R3コンソーシアム」で検索してみつけたのが以下の記事です。
ついでに、こんな記事もありました。
新しい技術に各企業のイノベーション○○部、新規事業部が飛びつくのはしかたのないことですし、短期的な成果のため、どんなに小さくても新しい取り組みの実績が欲しいところだと思いますが、将来の金融業界に破壊的なイノベーションをもたらす企業はどこかといえば、そのヒントは「愛着障害」にあるのかもしれませんね。
残席あとわずかですが、ブロックチェーンイベントにご参加ください(初心者向けです)。
アフター・ビットコイン: 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者
- 作者: 中島真志
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/10/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (4件) を見る