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社会に認知されていない課題が、実はたくさんある。

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社会に認知されていない課題が、実はたくさんある。

今年からパートナーとして関わっている、ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京)の活動に参加するたびにこのことを実感しています。

この本に書かれていることもその1つ。パートナーが情報交換しているfacebookグループで本のことを知りました。
正直なところ、本のテーマについてはそれほど関心はありませんでしたが、過去にSVP東京が関わったことのある団体について書かれているというだけで興味を持ち、読んでみました。

本の内容を一言でいえば、日本ではじめてとなる「手話で学べる私立の学校」の設立物語です。

これを聞いて「あれ?」と疑問を持ちませんか?
耳の聞こえない子どもが通う学校ってありますよね。「ろう学校」です。
今まで考えたこともありませんが、当然、そこで「手話」を教えているものだと思っていた自分に気づきます。

しかし、実際は違うようです。
「ろう学校」では、「聴覚口話法」で教育をしているそうです。
自分の声が聞こえないにも関わらず、正しい発音をさせることに重点が置かれた教育なのだとか。
そのため、「学校で手話を使ったら、手を叩かれた」とか、「手話を使わないように、授業中ずっと、手を後ろに組まされていた」ということが当たり前のように行われていたようです。

 日本のろう学校が、「手話」をあえて教えない教育方針を採用したことには理由があり、それなりの実績を残していると思います。
一方、アメリカでは、手話で学べる大学も大学院もあるそうで、多くのろう者がろう者に合った方法で勉強しているそうです。

時代は変わり、環境も目まぐるしく変わっている現代社会では、ろう学校に限らず、いつまでも「手段」だけにこだわっていると、間違った方向に進んでしまう危険性が常にあると思います。

この本の物語は、重度難聴の息子をもった著者が、ろう学校の現状に疑問を持ち、現状を変えるべく行動を起こし、ついには学校を作ってしまったという話なんですが、そこまでいくのになんと8年もかかっています。

 次から次へと立ちはだかる壁を前に何度も挫折してしまいそうになりながら、一歩ずつ前に進んでいく姿に感動し、勇気づけられます。
夢の実現のためにやれることは全てやる。たくさんの人とのつながりができ、その中で、SVP東京の元代表と出会ったそうです。

こだわるべきは「目的」であり、日本人の弱いところですね。
外部環境の変化を肌で感じ、多様な価値観に耳を傾けることのできなくなった組織に未来はないでしょう。日本に生まれた私たちは、普段から意識的にそうしていかないと昔のやり方や価値観に引っ張られてしまいます。

本書によると、SVP東京の当時の協働パートナーは、最後の難関である「資金調達」のフェーズで、大きな貢献をしたと書かれていました。
自分はSVP東京に関わってまだ数ヶ月しか経ちませんが、少し誇らしい気持ちになりました。

 これから自分は協働先や社会に対して、どんな貢献ができるのだろうか。その先に、どんな成長と出会いが待っているのだろうか。

私たちパートナーは投資・協働パートナーと呼ばれますが、ここで言う「投資」とは「自分への投資」なのだと思いました。

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