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アジアのLSPファシリテーター仲間と過ごした濃厚な2日間。

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5月27日〜28日に、東京理科大学にてアジアでは2回目となるLSP Asian Community Meetingが開催されました。
※ LSP:LEGO® SERIOUS PLAY®の略

Community Meetingにはグローバル版もあり、そちらは年1回レゴ社の本社のあるデンマークで開催され、世界中からLSPファシリテーターが集います。

今回のCommunity Meetingは日本で開催されるということで初めて参加してきました。
しかも、冒頭の写真の通り、勢いでプレゼンテーションまでしちゃいました。

ファシリテーターが増えている

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そもそもアジア初のLSP Community Meetingは昨年、シンガポールで開催されました。

その背景として、シンガポールは「T3」と呼ばれるLSPファシリテーター養成のためのトレーニング拠点として機能しており、アジア地域におけるファシリテーターが増加していることが挙げられます。

日本でもT3が提供されるようになってから、狭い国土の割にはLSPファシリテーターが毎年うなぎ登りで増え続けており、Facebookのグループでも活発に情報交換がなされ、ファシリテーター同士のリアルなコラボレーションも盛んに行われています。

私は2014年の1〜2月にかけて4日間のT3のトレーニングを受講しましたが、たった3年ですっかり古株になってしまった感があります。

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日本では、私が受講した頃までLSPの開発者であるロバート・ラスムセン氏から直接トレーニングを受けるしか方法がありませんでした。

その後、ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツの石原氏が日本人で唯一のトレーナーに昇格したことにより、今は直接日本語での受講が可能になっています。

つまり、日本でのT3開催回数の増加に伴い、ファシリテーターの数がすごく増えているのです。

レゴシリアスプレイ(LSP)の本質とは

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初日と2日目のロバートの講演では、LSPの本質的な価値について、改めて理解を深めることができました。

というのもLSPの「ロンリーガイ」というコンセプトが生まれるきっかけとなった、シャノン・ペインターさんとのライブ中継があったからです。 

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LSPの本質的な価値とは、チームや組織における信頼やコミットメント、インサイトを増やし(引き出し)、問題解決に導くことなのです(上の写真)。

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そこで重要な考え方が上の写真です。

この図は有名な氷山モデルですが、水面下に隠れたものをいかにアンロックして引き出すかが問題解決の鍵となります。

シャノンさんのお話は「戦略を形にする思考術: レゴ(R)シリアスプレイ(R)で組織はよみがえる」に詳しく書かれています。

商標の取り扱いについて

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さらに、ロバートからはレゴ社の商標の取り扱いについて注意喚起がありました。

LSPファシリテーターは、レゴブロックを使いますが、だからと言ってレゴ社のブランドを自由に使えるわけではありません。

レゴ社は自社のロゴだけではなく、ミニフィグ、ブロック、ポッチ(丸い突起が並んだもの)の形状についても商標登録しているようです。

レゴ社の方針として、それらの画像をファシリテーター自身のブランディングに使用してはならないということです。

具体的にいうと、それらを社名やサービス名称と一緒に使ったり、ホームページのヘッダーや名刺などに使うのはNGとなります。

情報としては知っていましたが、改めて説明を受けたことで理解が深まりました。

LSPの正式な資格を有していることを名刺やホームページに記載する場合、以下のように書かなければいけません。

「Trained facilitator of LEGO® SERIOUS PLAY®
method and materials」

もしくは日本語では、

「LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニング終了認定ファシリテータ」

日本語の推奨表記だと正直オフィシャル感がゼロですが、ルールですから従うしかありません。

つまり、我々LSPファシリテーターは、レゴ(あるいはブロック)を“売り”にするのではなく、問題解決に導くファシリテーションスキルを“売り”にするべきということです。

レゴ社は商標の取り扱いについて厳格なガイドラインを定めていますので、ファシリテーターとしては注意が必要です。

フォトギャラリー

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今回のイベントには、海外と日本の参加者を合わせて約60名が参加しました。

日本のファシリテーター仲間を見ていると、大学の先生など教育関係者や企業の人材開発部門の方、コーチングを専門とされている方がかなり多いようです。

その他にはコンサルタント系の方も多く、最近ではワークショップデザインを学んだ方が職種を問わず受講しているようです。

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クリエイティブ系の方もちらほら増えているようですが、デザイン系の方はあまりいないと思っています。

私のプレゼンはデザイン業務の中でどのようにワークショップを取り入れているかという視点でお話をさせていただきました。

しかしながら、それよりも昨年社内向けに制作したLSPのプロモーションムービーの受けがよかったのが印象的でした。

みなさんも、LSPのプロモーションに動画が効果的だとお考えのようですが、ハイクオリティーのPR映像を準備するのはハードルが高いようです。

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そんな私のプレゼンを聴いてくれたオーストラリアの大学関係者の方から終了後に「デザイン思考とLSP」の関係について相談を受けるという展開がありました。

思っても見なかったことでしたので少しビックリしましたが、プレゼンの内容はともかく発信することのメリットを実感しました。

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他のプログラムとしては、海外ファシリテーターによる事例発表や、ネットワーキングのためのLSPを使ったワークショップなどがありました。

個人的にはLSPファシリテーターとして、いくつかの疑問点の解消やスキルアップに繋がる知識を得られたのがとても収穫でしたし、それらをファシリテーター仲間とシェアする中でさらに理解が深まったのもよかったです。

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しかし、英会話力のなさから世界とのネットワーキングがほとんどできず、悔しい思いをしました(現実的には、日本人ファシリテーターとのネットワーキングも重要ですから^^)。

タイトルには2日間と書いていますが、前夜祭から参加しており3日も英語漬け(同時通訳あり)で、ちょっとした海外旅行をした気分の週末でした。

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最後の写真は、約1年ぶりに再会したロバートとのツーショット。

昨年レゴランドのワークショップで作ったレゴのネクタイを見せたらとても喜んでいました。

参考図書