ゆるゆるクリエイティブ

ゆるめると、生まれやすい。

【WSD特殊講義Vol.2】「今、社会で活躍するワークショップデザイナーに伝えたいこと」に参加してきました。

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「特定非営利活動法人ワークショップデザイナー推進機構」が企画し、青山学院大学などで学んだワークショップデザイナーに対して行われたイベントに参加してきました。

ちなみにワークショップデザイナー推進機構とは、ワークショップデザイナーが社会で活動しやすくするための各種支援を行なっている団体です。

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出典:http://www.wsd-n.net/aboutus.html

今回のイベントはワークショップデザイナーの「学び直しの場」として企画されたWSD特殊講義の第2回目です。講師は、ワークショップデザイナー育成プログラム(以下、WSD育成プログラム)でお馴染みの新井英夫さん。

新井さんをご存知ない方のために簡単に説明すると、体奏家・ダンスアーティストとしてご活躍の方で、WSD育成プログラムでは体を使ったワークショップ形式の講義を担当しています。

私が初めて新井さんと出会ったのは2013年1月、WSD育成プログラム第12期の講座でした。

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上の写真は12期の仲間と一緒に作った記念アルバムとDVD

彼の講義は体育館のような広さのスタジオで行われ、体操着に着替えた私たちは、想像を超えた体験をすることになりました。

20代からシニアの方までの幅広い年齢の男女が、寝転んだり踊ったり身体を触れ合いながらコミュニケーションの課題や本質について学びます(人によっては試練の場だったと思います)。

実は、「ゆるゆるクリエイティブ」の「ゆるゆる」という名称の原点はこの新井さんのワークショップであり、それほど自分にとっては記憶に残る体験だったのです。

今回のイベントはそんな新井さんが講師をするということで、行く前から楽しみにしていました。 

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会場となったのは、東京・芝浦(田町駅)にあるSHIBAURA HOUSE。

www.shibaurahouse.jp

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上の写真で手首に結ばれているのはこのイベントの入場券のようなものです。

受付で好きな色の毛糸を2本選んで、他の参加者の協力を得て一緒に作ります。

作りかたを覚えた人が次の人に教えるということを想定されていたようですが、新井さんの指示がスタッフ側に正しく伝わってなかった?ようで入り口でプチ渋滞が起こっていました(笑)。

受付の場面から、知らない人同士が自然とコミュニケーションしたり、軽く身体を触れ合うような場面をさりげなくデザインしているところは新井さんらしく、参考になりました。

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今回のイベントは体を使うワークショップ形式ではなく、新井さんの過去・現在・未来についてのお話でした。

後半(現在〜)は、「地域作業所カプカプ」所長の鈴木励滋(すずき・れいじ)さんとの対談形式で行われました。

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会場には約40名のワークショップデザイナーが集まっていました。修了した期が1桁台の方から最近修了した第23期の方までいらっしゃり、年齢もバラバラです。

新井さんは定番の仕事着である全身が赤い衣装ではありませんでしたが、いつもの?笛と太鼓を使ったパフォーマンスからスタートしました。

2013年に初めて新井さんを見たときの記憶が蘇ります。

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そんな新井さんのお話を私なりにぎゅーっとすると、

過去のお話

  • 既存の枠組みを壊す・揺さぶることに衝撃を受ける
  • (当時)閉じていた劇団をオープンにする
  • 「芸」は人と人の関係づくりができる(芸は身を助ける)ことを実感
  • 端っこ(多様性)が面白いと思う

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次に、お二人の対談のエッセンスを拾ってみると、

現在から未来のお話

  • 規格品を作っていると、人間までもスタンダードができてしまう
  • (人もモノも)規格に押し込めるとつまらなくなる
  • 揺さぶりをかけるのにワークショップは有効
  • 人が人と関わって生まれる何かが面白い
  • ダンスワークショップはいい仕事をするためのエクササイズ(社員教育)
  • その場で起こっていることをどう関係づけられるかがワークショップ
  • 面白がれるか?(目の付け所をたくさんもつ、面白いの引き出しをたくさんもつ、大失敗も後になると面白い)
  • 人を決めつけると個性は出てこない(広がる可能性はいろいろあるはず)
  • 用意したものにはめるとそれ以上のものは出てこない(スキマをどうつくるか?外れたものをひろう)
  • いつでも日常をちょこっと面白がる(ワークショップをゲリラ的に仕掛けてみる)
  • 普段言わないこと、やらないことをすると何かが起こる
  • 人がつながることが面白い
  • 他人と違うところが面白い
  • ムダがあるような緩んでいる場で、人は自由になれる

いわゆるワークショップ的な手法や場所にとらわれず、人と人の間に一人ひとりが自由になれる、ムダや隙間をいかにつくれるか、それをいかに面白がれるかが私たちワークショップデザイナーに対する新井さんのメッセージだったのではないでしょうか。

今回の対談相手である鈴木さんは、障害者を雇用する施設「地域作業所カプカプ」の運営を1997年から行なっている方で、毎日が自然とワークショップ的な場になる仕組みづくりをされており、お話も大変興味深く聞かせていただきました。

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講義の途中に全員が隣にいる人と手を繋いで肩や全身を揺さぶるリフレッシュ体操をしたのですが、みんなで大きなあくびをするなどそのやり方も新井さんらしかった。

講義が終わった後はプチワーク。3つの短冊にそれぞれ、

  • 今大切なもの・こと
  • 今いらないもの・こと
  • 今欲しいもの・こと

を1つずつ書いて会場にあった木にぶら下げました。まるで季節外れの七夕のようでした。

自分と似たようなことを書いている人もいたり、意外なことを書いている人もいて面白かったです。

交流会の時間に、少しだけ新井さんともお話をさせていただきました。

以下の写真は会場でグラフィックレコーディングされた模造紙の写真です。講義の内容もざっくりわかるかな?

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参考リンク

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