読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ゆるゆるクリエイティブ TOKYO

ゆるゆる思考で、ゆるクリエイティブなオトナの学び場

現代人がクリエイティブな思考になれない本当の理由とは。

ゆるゆる雑感

スポンサーリンク

f:id:justyle:20170107224027j:plain

明けましておめでとうございます。

年末年始に「青空としてのわたし」を読みました。

本書はAmazonでマインドフルネス関連の本を探していた時に見つけたものですが、レビューの評価が高かったので図書館で借りてみました。

筆者は現役のお坊さんで、主に仏教について書かれた本ですが分かりやすく書かれており、私のような仏教初心者でも読みやすく、マインドフルネスと仏教についての理解がより深まりました。

日本の仏教は行き詰まっている!?

私は仏教の世界のことはほとんど分かりませんが、筆者がいうには今の日本の仏教は中身がないのだそうです。

寺院は本来、人々の心の悩みや苦しみを解決する心の病院であるにもかかわらず、今この病院には医療技術がないのだとか。

お坊さんたちが、自分の職業に自信を失っているとまでいうのですから、ちょっと意外でした。

この本はそのような状況を見かねた筆者が、仏教再生のために辿った道筋や、その過程での考えなどを分かりやすく伝えるために書かれたものになります。

仏教の最終目的とは

仏教の最終目的なんて考えたこともないくらい無知な私ですが、本書にはこう書かれていました。

本当に心が健康になって、本当に心が解放されること。

言われてみれば、確かにその通りだと分かります。

そんな日本の仏教は、筆者によると以下のように分けられるのだそうです。

  • 仏教1.0 日本に根付いている教団仏教
  • 仏教2.0 テーラワーダ仏教(上座部仏教)1990年代後半〜
  • 仏教3.0 1.0,2.0の難問を整理して分かりやすくしたもの

仏教の世界は昔からずっと変わらない完成されたものだと信じていた私にとって、このような大きな変化があったとは衝撃の事実でした。

宗教はよくできたビジネスモデルと言われますが、激しい外部環境の変化とも無縁ではいられなかったのでしょう。

シンキング・マインドが止まらない私たち

一方で仏教の世界に影響を及ぼしている私たちの日常はどのように変化しているのでしょうか。

身の回りは情報で溢れ、現代人は頭でのみ仕事をすることが多くなっています。

逆に言えば、日常生活の中で身体の感覚を感じることはほとんどありません。これでは頭の中の世界だけで生きているようなものであり、このような状況を「シンキング・マインド」にあると言っています。

そして、人間が持つ様々な悩みの本質とは、このシンキング・マインドが止まらないことなのだそうです。確かに、私たちは過去や未来にとらわれ、いつもあれこれ悩んで苦しんでいるのかもしれません。

であるならば、苦しみから解放されるためには、シンキングをやめればいい。それが今流行りのマインドフルネスと呼ばれているものの本質なんです。つまり、シンキング・マインドが落ちた状態にするのがマインドフルネスというわけです。

身体をもっと観察せよ

シンキング・マインドが落ちた状態にするには、まず身体の感覚を感じるところから始めます。この時、シンキング・マインドが止まるのです。なぜなら、人間はシンキング・マインドすることと、身体の感覚を観るということを両立できないから。

この「思いを手放す」ための方法が、Googleなどで取り入れられているマインドフルネスであり、瞑想と呼ばれているものなのです。

私は雲ではなく、青空

本書のタイトルである「青空としてのわたし」とは、「シンキング・マインドが落ちた時に現れる私は、青空である」というところからきています。

人生の苦しみは、空に浮かぶ黒い雲。そして、世間で言われる幸せとは白い雲。そういったものにいちいちとらわれている状態が、シンキング・マインド。ピョンピョン飛び跳ねるところから、モンキー・マインドとも書かれていました。

瞑想を使って、呼吸を観たり、身体の感覚を観たりすることで、そういった雲を手放し、青空に入ることができるのだとか。

私は雲じゃないと思えた時、世界に対する見方が変わってくるのでしょう。瞑想で重要なのは、この「世界観が変わる」ことだったのです。

マインドフルネスとは「気づき」

本書を読んで、マインドフルネスや瞑想と言われるものが、世界に対する見方を変えるための手段だということにすごく納得しました。

そのために必要なのは「観察」するということなんですね。

観察とは「思いを手放す」ことであり、シンキング・マインドが落ちた状態であると書かれていますが、別の言い方をすれば、「判断を保留する」ことなのだと思います。

これまでの経験に基づいて物事を判断するのをやめた時、初めて「気づき」が得られるのです。

シンキング・マインドが落ちた世界にしか、気づきは存在しません(本書より)。

マインドフルネスは練習が必要

いつもシンキング・マインドにある現代人にとって、思いを手放すとか判断を保留するといった本当の意味での「観察」はなかなか難しい。

なぜなら、私たちはついつい反射的に頭で理解しようとする癖がついているからです。無意識のうちにそうやってしまうから本人も気づいていないのです。

U理論(※)で言うとレベル4(Letting go:手放す)がシンキング・マインドが落ちた状態であり、レベル1(Downloading:ダウンローディング)がシンキング・マインドで理解している状態です。

f:id:justyle:20170107225142p:plain
出典:https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m000376.html

※U理論とは:http://www.presencingcomjapan.org/utheory/

レベル1のようなシンキング・マインドで「気づき」を考えてもあまり意味はないのです。

思いを手放し、Uの谷を潜るには意識的に行う練習をする必要があると思います。

マインドフルネスを通じて、自分の中で仏教とイノベーションがつながりました。

寝る前のマインドフルネスがオススメ

本書では、仏教3.0の瞑想メソッドとして、ワンダルマ・メソッドというものを紹介しています。

それは、非常にシンプルなもので、まず最初に右の掌(てのひら)を、内側から観ます。

右の掌にぴりぴりという感覚が生じてきたら、観る場所を右の掌からだんだん移していきます。腕に広げたあと、左手に移して同じように拡大していき、全身にまで広げます。

こうすることによってシンキング・マインドが落ちます。

私はこれを寝る直前に時々やっています。布団に入ってからやるのですが、いつのまにか眠ってしまうのでオススメです。

ゆるゆる思考とマインドフルネス

仕事で行き詰まった時や新しいものを生み出す時に役立つ考え方に、「視点を変えること」や「ものの見方を変えること」というのがあります。

そのためには観察する力、すなわちマインドフルネスの練習が役に立ちます。

ゆるゆるクリエイティブのアプローチでもある、

ゆるめると、生まれやすい。

には、思いを手放すといったマインドフルネスやU理論の考えも入っているのです。

シンキング・マインドに注意せよ

最近流行りのデザイン思考などのイノベーションのプロセスにおいても、「観察」は重要なプロセスですが、慣れないと難しい。

上でも書いたように、私たち現代人はこれまでシンキング・マインドをどうやって速くするかだけをやってきたからです。

ついついシンキング・マインドでやってしまいがちで、結果的にたいしたインサイトが得られないまま終わります。

対話の場であるワークショップでも同じです。シンキング・マインドで参加していると、気づきが得られない。

昨年実施したワークショップでもありましたが、そういう方(年配の方に多い)は「ワークショップなんてやっても意味はない」と「手段」に問題があるという言い方をされます。

非常にもったいない考え方だなぁと思いますが、うっかりすると自分もそうなってしまう可能性は十分にあるということは肝に銘じておきたいです。

また、ワークショップをデザインしたり、ファシリテーションする立場として、よりよい「場づくり」ができるよう自分自身の「ありかた」をさらに探求し続けたいと思います。