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「作りながら考える!?ゼロから学ぶデザイン・シンキング「プロトタイピング」ワークショップ」に参加しました。

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先日、avex life design lab(原宿)で開催された、「作りながら考える!?ゼロから学ぶデザイン・シンキング「プロトタイピング」ワークショップ」に参加してきました。

このワークショップは「青山学院大学社会情報学部 ワークショップデザイナー育成プログラム」の協力で開催されたもので、講師であるTRIAND Inc.取締役の平野友規氏は同プログラムの修了生です。

ちなみに私も同プログラムを修了していますので、当日は育成プログラムの関係者や修了生の方とお会いすることができました。 

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会場となったavex life design labは、あのエイベックスが運営する音楽関係のスクール施設内にある多目的スペースです。「オトナ」をもっと楽しむというコンセプトを掲げ、以下のテーマやカテゴリで様々なイベントが開催されているようです。

f:id:justyle:20161203205833p:plain出典:http://lifedesign-lab.avex.jp/about

 会場内にはキッチンもあり、飲食関係のイベントも可能なスペースとなっていました。

今回のワークショップはアルコールありのワンドリンク付きでしたので、カクテルをいただきながら参加しました。

写真では分かりづらいかもしれませんが、とても居心地のいい雰囲気の場所でした。原宿駅から徒歩3分という立地なので、また面白いイベントがあれば参加してみたいです。

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今回のワークショップのテーマは、デザイン思考でも重要なプロセスのひとつである「プロトタイピング」。

プロトタイピングをうまくやるコツは、頭より先に手を動かすこと。

紙に描いた簡単なスケッチや折り紙などでもなんでもよいのですが、指し示しながら説明できるものを作りながら発想し続けるという感じかな。英語で言うと、

Think with your hands!

Point and discuss!

私たちデザイナーは日々当たり前のようにやっていることですが、そうでない方にとってはそれがどういう意味や価値があるのかイメージしづらいところがあります。

平野氏はデザイン思考を料理のプロセスに例えて、プロトタイピングを「味見しながら調理する」工程であるという言い方もされていました。

まず最初にやったのが、マシュマロチャレンジ(下記動画参照)をちょっとアレンジしたようなアイスブレイク。

www.ted.com

毎回思うのですが、このマシュマロチャレンジ系のゲームはどうすれば良いのか分かっていたとしても、その日初めて会った人とチームを組んでやるとなると、難しいんですよね。

今回はマシュマロの代わりにレゴのミニフィグ、パスタの代わりにストロー。その他に、紙コップ2個、厚紙、ボードなどを使って高いタワーをチームで競いました。

ミニフィグとストローでもマシュマロチャレンジと似たような効果を体験できたのが面白かったです。

ちなみに今回のワークショップでプロトタイピングしたのは「未来の音楽体験」。

デザイン思考のプロセスにはユーザーの潜在ニーズを発見する「共感・理解」というようなプロセスがありますが、今回のワークショップでは、参加者自身の過去の音楽体験を作文(とスケッチ)にするというやり方をしていました。

具体的には「心に残っている“最高” or “最低”の音楽体験」を作文にして、それをチームで回覧して共感ポイントを見つけました。非常に短時間でのワークでしたが、なるほどこういうやり方もあるのかと今後の参考になる気づきをいくつか得ることができました。

次にやったのが、チームの方向性を決める課題文の作成です。登場したのはデザイン思考のワークショップでよく出てくる、

How Might We(HMW)

私たちはどうやったら(未来で)◯◯◯できるか?

チームで共有した作文をヒントに、HMWをいくつか書き出しました。

チームでHMWを1つ選んでカチッと決めることで、アイデアの質が向上したり、参加メンバーに当事者意識が芽生えるという効果があります。 

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HMWが決まったら、早速プロトタイピング。

あれっ?たくさんのアイデアを出す「アイデア発想」のプロセスはないの?と思ったのですが、たった2時間のワークショップではそこまでできません。

したがってアイデアを考えるのとプロトタイピングは同時並行的に行われました。アイデア発想好きの私としてはちょっと物足りなかったのですが、今回は「プロトタイピング」体験だと割り切って、メンバーの出すアイデアをどんどんカタチにしていきました。

デザイン思考を学んだり体験するワークショップのファシリテーターをしていると、プロトタイピングのプロセスで、いつまでも手が止まっているチームを時々見かけます。

それはアイデアの完成度にこだわったり、合意形成してからじゃないと作れないといった雰囲気になっていたり、そもそも手を動かしたくない、話し合っている方がいつもと同じで楽でいいという方の引力に引っ張られたり色々あるようです。

プロトタイピングを始める前に、その心構えとして、講師の平野さんは上手い言い方をされていたので、参考になりました。それは、

やっつけ仕事でいい

やっつけ仕事とは、

  1. 急場の用に間に合わせるために急いでする、その場限りの仕事。
  2. いいかげんな仕事。雑な仕事。

という意味ですから、初心者でもイメージしやすいのではと思いました。

それと同時に、やっつけ仕事のサンプルを見せることも非常に効果的です(ここでレベルの高いものを見せると逆効果です)。

ということで、上の写真のようなプロトタイプを3人のチームで使って、寸劇形式で発表しました。自分が演じる側になるのは久しぶりだったので貴重な体験でした。

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最後に各チームのプレゼンに対する投票の結果、私たちのチームが優勝(と言っても投票数にほとんど差のない怪しい投票結果でしたが)し、賞品としてティム・ブラウンの書籍「デザイン思考が未来を変える」を頂きました。

下の図はワークショップの最後にスライドでみせてもらった図ですが、参考になったので紹介したいと思います。以前どこかで見たような気もするのですが思い出せません。

f:id:justyle:20161203222509p:plain出典:コンヴィヴィアリティのための道具 – On the Design: Dialogue – Medium

この図は年代によるデザイン対象の広がりを示しており、今は3rd orderであるサービスデザインの領域をさらに超えて、4th orderのシステムまでデザインする時代になっていることが分かります。

実際に、私の所属するデザイン会社でも組織開発や組織改革、人材育成に間接的ですがデザイナーが関わるケースが増えています。

たとえ絵が上手に描けなくても、デザイナーのように思考する人が様々な現場で活躍する時代がそこまで来ている気がします。

ロジカル思考だけでは解けない課題を、ゆるゆる思考(デザイン思考)をプラスすることで超えられるのではないかという思いを胸に日々精進していきたいと思います。 

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今回のワークショップでは、グラフィックレコーディング(略してグラレコ)のプロの方が、ワークショップの様子をずっと記録していました。

ワークに夢中になっている間はその存在をすっかり忘れていたのですが、最後にいただいたグラレコ作品(上の写真)を見て感動しました。素晴らしい!

ありがとうございました!

ワークショップで使われたスライドと当日の様子が映像で公開されました。

speakerdeck.com

www.youtube.com