一度興味を持つとさらに知りたくなるということで、知らない世界を知りつつあります(笑)
どこかのサイトで本書のことを知り、Amazonの説明を読んで図書館で借りました。
衝撃的なタイトルの本ですが、50人の組織なら1人はいるかもしれないという境界性人格障害(ボーダーライン)をもつ母親のお話しです。
特に女性は同姓ということで母親の影響を受けやすく、本書の事例も母親と娘のもの。
境界性人格障害(ボーダーライン)4つのタイプ
それぞれには下記のような心の闇があります。
- みなしご:無力感
- かごの鳥:恐怖心
- 女王:虚無感
- 魔女:怒り
実際にボーダーラインの母親を持つ子供は、母親のことを「みなしご」のように例えて話すことが多いそうです。
境界性人格障害(ボーダーライン)の行動特性
以下のような行動をするそうです
- 操作する
- 真実をねじまげ、臆面もなく嘘をつくこともある
- 身体的な暴力を振るう
- 予測ができない
- 過剰に反応する
- 衝動的である
- 判断力が乏しい
- 記憶がたしかではない
- 一貫性がない
- 干渉が激しい
このような環境下では、子どもは母親を信頼することができなくなってしまいます。
境界性人格障害(ボーダーライン)かどうかの判断基準
現状(1994年アメリカ)では、次の特徴のうち5つあてはまれば、ボーダーラインだと診断されるようです。
- 現実、あるいは空想上の見棄てられを避けるための死にもの狂いの努力
- 不安定で緊迫した人間関係のパターン
- 不安定な自己像・自意識
- 衝動性。自己破壊を招きかねない行為(浪費、セックス、物質乱用、無謀な運転、過食)
- 自殺のふりと脅し。自傷行為(殴る、刃物で傷つける、やけどを負うなど)
- 激しい感情のむら。めまぐるしい気分の変化
- 虚無感
- 不適切で強烈な怒り
- ストレスに誘引される脅迫的な思考や、解離症状(現実感の喪失)
どうですか?身の回りにいますでしょうか?
仮にいたとしても、ある個人をボーダーラインだと認識するのはとても難しいようです。
その理由として、
- 浅いつきあいしかない相手には、普通に見える
- 個人によって症状がことなる
- 相手によって態度が変わる。自分の子どもですら、その例外ではない
- 場合に応じて、ことなる複数の外的な性格をもつ
- 組織的な環境に強く、特定の役割はそつなくこなすことができる
からです。
表面的には普通に見えても、いざ深く付き合ってみるとなんだか関係がギクシャクすることが多々あったという経験はありませんか。もしかするとボーダーラインだった可能性がありますね。
そんなボーダーラインの根本治療は不可能だそうですが、セラピーに通うことによって、行動をコントロールし人生の質を向上させることは可能なようです。
しかし、本人が気づくか信頼できる周囲の方のサポートが必要ですね。
本書にはそれぞれのタイプ別に、事例とどのような精神状態にあるか、母親の特徴・モットーなどが詳しく載っています。
ボーダーラインの女性が選ぶパートナーにも傾向があるようで、それぞれ
- みなしご:自分が救うことができ、いつか自分を救ってくれるかもしれない「カエル王子」を求める
- かごの鳥:彼女に同情し、守ってくれる「狩人」を求める
- 女王:卓越した個性と富と権力によって注目を集める「王」を求める
- 魔女:自分が支配し、コントロールできる「漁師」を求める
それぞれの父親タイプは、
- カエル王子:無力な父親
- 狩人:家庭よりも仕事をとる父親
- 王:自己中心的なナルシストの父親
- 漁師:妻にあやつられ、いいなりになる父親
というふうに、子どもを置き去りにし、あてにならない。
子どもを守りボーダーラインになるのを防ぐには、父親が子どもの認識や感情を追認し、子どもの言葉を信じる必要があります。
ボーダーラインの連鎖を止めるには、親として誠実であること。
それは、子どもはこの世に望んで生まれてきたわけではないこと、子どもには、無条件に自分なりの生活や個性をもつ権利があることを認識し、子どもの責任を全面的に負うという覚悟。
- 作者: クリスティーヌ・A.ローソン,Christine Ann Lawson,遠藤公美恵
- 出版社/メーカー: とびら社
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: 単行本
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